《MUMEI》
僕の涙はキミの涙
手術室のランプが消えた。
出てきた人たちはみんな
暗い顔をしていた。

“12:00 水城華恋死亡”

あの夢は、正夢だった。
僕は何も言えずにその場に崩れ落ちた。
手に握り締めていた手紙は
くしゃくしゃになっていた。

僕たちの時間は止まった。
誰も何も言わなかった。
ただ静かに涙を流した。
僕は何も言わず家に帰った。


空は明るかった。
鳥が飛んでいる。
公園では小さい子が遊んでいる。

僕の時計は止まっている。
僕と華恋のアルバムにはこれ以上
思い出が増えることは無かった。


しばらくして、華恋のお母さんが来た。
僕に手紙を渡してきた。
僕はその手紙を開いて驚いた。
差出人は“華恋”だった。

“廉君は私の永遠の彼氏だね。
 アタシはもういないけど、廉くんが
 アタシのことを忘れなければ、
 ずっと廉くんの心の中で生きてるから!!”

と書いてあった。
僕は一日中泣いていた。
泣きつかれて気が付いたら寝ていたんだ。
その日の夢は、華恋がでてきた。

華恋と遊園地で遊んでいる夢だった。
これが現実だったら・・・・・。
なんて思ったんだ。

僕の涙はキミの涙だ・・・・。

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