《MUMEI》

「今日はローズマリーとラズベリーにしてみましたぁ。いい匂いでしょ?」

タオルを持ってきてくれた恋人が扉越しにウキウキと尋ねてくる。

「いやいや‥‥お前どんだけメルヘン思考だよ」

「えー?なんで?」

「俺いくつよ、21だよ?なんでいいとしした男がこんな可愛いらしい風呂にはいんなきゃなんねぇんだよ」

そりゃぁね、ホントに可愛いらしいアナタが入れば可愛いかもしれませんけど。
花とたわむれながら身体を洗う恋人を想像してちょっとアレな気分になる。変態か俺?いやむしろこれこそが恋であり愛だ。うん。

扉の向こうでは、沈黙。あきらめてくれたのかな?それとももう戻ったか。
そう思っておそるおそる扉をあけてみると、彼女はうつむいて、肩をふるわせて、泣いて、いた?

嘘、マジでか。

「ご、ごめんごめん!言い過ぎた」
「‥‥」
「ごめんって、な?」
「‥‥だっ、て、」
「悪い、もう泣くなよー」

軽くパニックだ。うつむいた恋人は小さく嗚咽をあげていた。

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