《MUMEI》
セイン・おやじさん・キュリー 店にて
おやじさんは言い残したまま、奥に入っていった。
そのとき、「ねぇ…セイン。」声がした。
セインがそちらを見ると、キュリーがいつのまにかいた。
悲しそうな顔をしたキュリーは、「アイリアス、いないの?」
と、問いかけてくる。

セインは一瞬考えたが、真実を言う事にした。
「あぁ。今アイリアスが行方不明だ。」
「いつ帰ってくるの!?」幼いキュリーの顔には涙があふれている。
(普段仲悪くても、やっぱりキュリーは心配なんだな…)
そう思いながらセインは、
「わからない。でも、絶対俺が連れてくるから。」
そう聞くとキュリーは、「うん!ずっと、待ってるから!!」と言う。
そこにおやじさんが戻ってきた。

「俺のとっておきのサバイバルセットだ。使え。」
中にはざっと見でもマシンガンや弾薬、食料まである。
「ありがとう、おやじさん!!」セインは心から感謝を述べた。
サバイバルセットの袋を肩から下げ、扉を開け、一言。
「行ってくる。すぐ戻る。」
「さっさと帰ってこい。親は心配する生き物だからな。」
その言葉を聞いたセインは、両親に心の中でしばしの別れを告げながら
街の外へ走り出した。

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