《MUMEI》
契約
「う・・・ん・・・?」
青年は目を覚ました。
どうやら仰向けに寝かされているらしく、空が見える。綺麗な星空だ。
「ん・・・?星空!?」
青年は起き上がろうとしたが、直後に激痛がはしった。
「ぐう。」
青年は起き上がるのを諦め、そのまま寝転ぶ。
どうやらここは公園らしいが、自分の体のしたにはビニールシートがかけられ、上には毛布がある。
そんなことを考えているといきなり、目の前に一つの顔が現れた。
「わあっ!!痛っ!!」
驚いて、体を動かしてしまった。
あまりの激痛に青年は顔を歪める。
その現れた顔は少年だった。
「大丈夫か?」
少年はニヤニヤしながら尋ねた。
「君は・・・。」
「覚えてないのか?」
「トラックにはねられて・・・。あっ、きみはその時にはねられそうになってた・・・。」
「そっ。」
「けど、俺は生きてたの?」
あんなトラックにはねられたのなら、生きているのはとても不思議だ。
「いや、死んだよ。」
「えっ?」
「だから、お前は死んだんだって。」
「は?じゃあ、ここにいる俺は?」
「生き返ったんだよ。」
「はあ!?」
「だから、君は一度死んだけど、甦ったんだ。僕と契約したことによってね。」
「契約?いやいや。ありえねーし。しんでね〜んだろ?怪我で済んだんだろ?」
「まあ、信じられないのも無理はないか・・・。うーん、じゃあこれを見れば納得する?」
そう言って少年は右手に・・・炎を出した。
「どう?」
「・・・。はい?」
「これを見れば納得するでしょ。」
「どんな仕掛けなんだ?」
「?」
「マジックなんだろ?」
「マジック・・・?」
「知らないのか!?」
「うん。」
なんだか可笑しな少年に関わってしまったようだと、心底落胆する。
「そういや君の名前は?」
「エグゼス・セーフティ。エグって呼ばれてる。」

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