《MUMEI》
▽
「遅かったな」
「…、うん」
バッグをテーブルに置き、俺はシャツを脱ぎだす。
「キスさせてねーだろうな、おい」
兄貴はテレビのリモコンを弄りながら聞いてくる。
「あー、それなんだけど、兄貴の言った事当たってたよ」
「ええ?まさかおまえ喰われてきたのか?」
兄貴は驚いてリモコンを床に落とした。
「違うよ、俺が止まらなくなった、三村が欲しくてどうしようもなくなって、壊れるまで抱いた」
「………、マジかよ…あの三村が下なんて…」
▽
既に三村と風呂に入っていた俺はスエットに着替え、脱いだものをまとめて部屋を出た。
キスしたら止まらなくなるのは本当だった。
…でもそれは恋をしているからだ。
本当は可愛いくて泣き虫な恋人ができた。
俺が逆に髪を染めたら三村はどんな反応を示すんだろうか?
End
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫