《MUMEI》
運命の席替え アイツとの日々の始まり 2
―休み時間
 私は廉と廊下で立ち話をした。
「しっかし、お前本当に頭いいな。」
「そう?あれぐらい誰でもできるわよ?…廉達以外のことだけど。」
「ひでーなー。」
「誰でも真面目に授業聞いてたら、自然と頭に入るわよ?」
「先生の話長ぇーからキライ。つーか聞く気ねえ。」
「それじゃダメじゃん。」
「あはは。」

「けど、頭いい奴って結構好きだな。」 
 廉は急に、視線を外して独り言のように言った。
「そ、そうかな。まあ私は頭良くないけど。」
「いや、十分いいって。」
「へ…?」
 頭がいい奴が好き。頭がいい=私…?
(んなわけないか。)
「もうすぐ授業始まるから行こーぜ。」
「う、うん。」
 
 何だかさっきから胸がドキドキする。
‘頭いい奴って結構好きだな。’
‘いや、十分いいって。’
 何度も何度も廉の言葉が頭の中でグルグルと回ってる。その度にドキドキする。
(私は廉が好き?)
 一瞬そんなことが頭をよぎった。
(無いかな、そんなこと。でも、どうしてドキドキするんだろ?)
 愛美はまだ、本当の自分の気持ちに気づいてなっかた。

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