《MUMEI》
忘れたい未来
「はぁはぁはぁ…」
暗闇でコツコツと走る音と荒い息づかいが事の深刻さを嫌に強調する…

なぜだろう?

これだけで不吉な感じがする…
「嫌だ・・・面倒な事は…」

走る、走る、走る…

「・・・。」

!?

足音が止まった!

「うぅ…」

目の前が真っ暗になって俺は、今まで見たことのない色の暗闇に包まれた

「なんだか、懐かしい…でも…」

【迎えに来たよ、君はもう楽しんだだろ?】

子供の声で誰か…いや、そいつが言った

「何の事だ!!」

震える声で叫んだ

【さぁ返せ、我が主よ】

「意味がわかんねーよ、説明しろ!!」

【さぁ、行くぞ】

小さな手がこちらに向かって伸びて来た

「やめろ!!」

いい放った瞬間、体が光った…眩しい…前が見えない、暖かいが何も感じない、と言うよりも光りだけで何もない

フワリとした闇だったからわかる…この光は駄目だ
光に身を任せてはいけない!!
だが俺の体から出る光は止まらない、次第に膨れ上がって行く
【ここまでか…潮時だな】

光は駄目だと言うことを助長するかのように子供は言った

【忘れるな主よ、奴は汝だ、それはその出来損ないの光が物語っている、貴方が劣化品と言うことも…】

そう言うと少年と闇は消えた…
闇は消え意識が近づいて来るのがわかった、だんだん明るく…光よりも明るく…

光が眩しく感じ、目を開いた、先の道の上で寝ていた…

「夢?どこから…どこまでだ?」



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