《MUMEI》
1
.....不快な電子音が部屋中に鳴り響く
絶え間なく、容赦なく
音は次第に大きくなり頭を揺さぶり始める
視界が光を拾い、現時刻が朝であると認識できた
まだ微睡の中にいる意識を強制的に引き上げ、うるさいアラームをきる
「・・・」
ベッドから降り、欠伸をしながら部屋中を見渡した
汚い、この一言に尽きる
一人暮らしを始めて半年、最初はルンルン気分で一人暮らしを満喫していたが、如何せん、面倒なことが多すぎる
部屋の片付けや炊事洗濯など生活の基本となるべきものさえおざなりになってしまった
親のありがたみを痛感するまでに至る

現在大学生、一年浪人を経験しており、そこそこ名の知れた大学に入学するも浪人の時の反動か生まれ持った才能なのか、何事にもやる気が起きず学校では死んだような目をして生活している
同じ学部学科の同輩たちがキラキラ輝いて見えるよ!
そんなキラキラをよそ目に喫煙所でぷかぷかと煙草をふかすのが日常になっていた

「・・・だる・・」
本日の第一声
この一言が日常を物語っていると言っても過言ではない
重い腰を上げカーテンを開ける
気分とは裏腹に空は快晴であった

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