《MUMEI》

「あ〜じゃあ俺パス。」



「はぁッ!?何言ってんのッ!?」



「男子決勝しか興味ね〜もん。」



「あ・の・ねぇ…」



「決勝まで時間潰して来るわ。」



「ちょっと川上ッ!!」



川上は春奈を無視し、
そのまま姿を消してしまった。



「ま…川上はそんなもんだろ。」



「もぉ〜っ……」



泉たちは川上を引き止めることなく、


会場内へと足を運んだ。



「で?試合はどんな感じなわけ?」



「たぶんそろそろ終わる頃だと思うんだけど…」



「凄い試合だったね〜ッ!!」



会場へ向かう泉たちと入れ違いに大勢が入り口から出てきていた。



「試合…終わったみたいすね。」



「わり。俺たちのせいで一番良いとこ見逃したな。」



「ん…まぁ、
もう決着着いてたようなもんだったし。」



「結局どっちが優勢だったんすか?」



会場内に足を踏み入れる秀皇大学選手たち。



「あ…」



「あ…」

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