《MUMEI》
時間切れ
ただ今の時刻 pm 2:50
約束の時間3時まで、あと10分。

(・・・・。遅い!!!あと10分しかないのに!!)

「怜ちゃん・・・。」
「ね・・・ねぇ、神流。
 どうしてそんなに心配してるの??」
「なんかいやな予感がするの・・・。
 空がとても暗くて、月の光がまっすぐ地上に
 差し込めていない。月が黒い霧を纏ってる・・・。」
「・・・・。か・・・神流??」
「あ!!ごめん!!
 ただ、なんか闇の力を感じるの。」
「・・・。や・・闇の力って??」
(何その、すっげぇファンタジーな言葉!!?)
「ごめんね。よくわかんないよね?
 いいよ。気にしなくって。」
「そう??じゃぁお休み。」
「うん。お休み。」

   pm 3:00 約束の時刻

・・・。3時になっちまった。なのに・・・。
     “まだ帰ってきてない!!”
なんでだ??3時だぞ!?
3時には、帰ってくるんじゃなかったのかよ??
神流だって心配してまだ寝れていないんだぞ!!
何となく分かるんだよ。リビングで月に祈ってる。
なんか分かるんだ。何かを感じるから。

。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・

「はなせぇぇ!!!!」
「放しませんよぉ。ボス!!
 どうします??この女。目ぇ、覚ましちまったみたいです。」
「うん・・・。そうだなぁ・・・。
 そろそろ家に帰さないと・・・・
 連れが心配してるだろうからなぁ・・・・。」
「それもですね!!」
「おい、女!じゃなくて・・・・怜・・・だっけ・・・?」
 家に帰れ!!この事は誰にも言うんじゃないぞ!!
 言ったらどうなるか分かってるな??
 言ったら・・・・・・・!!!」
「・・・。はい・・・・。分かってます。」

。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。

3時から15分後。
「ただいまぁ・・・。」
「!!れいちゃん!!!どこいってたの!!!」
「うん。ごめん。気が付いたらこんな時間だった。」
「あ!!怜さん!!」
「・・・・。遅くなってごめん。」
「・・・。まぁ、帰ってきたから
 いいんじゃない???」

“お願い!!!気が付いて!!アトラスが!!!”

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫