《MUMEI》
生きる価値
「それで、お前の考えはどうなんだ?」

「・・・それは・・・。」

「言いたくなかったら無理に言わなくてもいいぞ。

おれはそんな強引なやり方嫌いなんだ。」

先生は 窓の外をみはじめた。

学校の高台からみえる海は輝いていた。

すこししかみえないけれども、この光に飛び込んだら。

どうなるんだろう。

「少しの希望に飛び込んでみる。そうしたら、なにかがかわるかもしれないな。マイナスになるかもしれんが。

やるだけの価値はあるとおもうな。俺の意見だが。」

やるだけの価値・・・。私に価値なんて・・・。ないよ。あるわけないもん。


そうやって私は黙り込んでいた。

「家に帰るかどうかはおまえしだい。おれはほかの仕事があるあらな。」

そうやって先生はどこかへいってしまった。


いろいろかんがえることがありすぎるよ・・・。

§

あいつなら、できるはずさ。自分自身で考えることだってできる。

判断しなければいけないときだってあるんだ。

「がんばれ・・・。」


小声で、そういうのであった。

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