《MUMEI》
自己紹介は寿命が縮まる
この物語は春と言う季節から始まるのである。


ドンッ!と空に向かって大きく建っている校舎を不安そうに見上げる少年がいた。
少年は、まるで何かの行事みたいにピシッと服を整えしっかりネクタイもしていた。
そう、転校生である。
少年は、大きく息を吸い込み呼吸を整えてから前進した。



この一見イケメンにも見える少年は親の離婚でこの町に引っ越して来たのであった。

「……友達出来るかなぁ」

いかにも、小学生っ!と言う発言を玄関前に残し教室へと足を進めた―――が、足取りは重かった。

不安だったのだ。この学校は中学校から上がるだけの学校、転校生などあまり来ない学校だった。
一度は、このままさぼって引き帰ろうと思ったほど不安だった。

「みきゃぁぁッ!」

ちょうど女子トイレの前に立っていた少年はその声が良く聞こえた。

「っ……何事っ?!」

緊張していて周りを警戒していたせいもあってよけい驚いた。
声の主は、聞いた通り女の子だった。

「あわっ……あっ、あっ…っ!」

その女子生徒を見て少年は鼻血を吹きそうになった。
慌てた様子で出てきた女子生徒は、なんとスカートはもう落ちてパンツは丸見えだし、何を暴れたのか上の服は来ていないしおまけにブラも取れかけていた。



「キャァァァッ!!」


朝の学校に女子生徒の声が響き渡った。

と、ついでに俺は殴られることを確信した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫