《MUMEI》
限界? ∞
『もくもく』
「………」
「………」

空気重っ!!
なんなんだろうこの空気感!屋上で二人してパンかじりながら一言も発しないよ!?滑稽じゃね!?なあ!滑稽じゃね!?もし第三者がこのシチュエーション見てるとしたらよくわからない状況に陥った俺を笑えよ。く、ク・ル・シ・イ・ヨ、、、
なんとか打開しなければっ、、

「う、美味いか?カレーパン」
無言で頷く東條。

失敗。

どうすりゃいい?俺はどうすればいいのですか!?

「か、カレーパン、好きです。美味しい」
「そ、そっか、、よかったな」
またも無言で頷く東條。

何か思い入れでもあるのだろうか、、カレーパンに?いや、笑うところではないよ?

「あの、それでさ、、朝はゴメンな。急に腕掴んだりしちゃって」
「い、いえ、、いいんです。いじめられるの、わかってるから」
「違うんだ。俺は東條に怒ってたんじゃなくて別のヤツに怒ってたんだ。雨宮に」
「、、そんな必要ないのに」
東條は少し悲しそうな目をして呟いた。

俺は東條の言った意図が汲み取れなかった。どういうことだ?

「どういうこと?」
「、、私が、私がいじめられてればそれでいいんです。皆さん楽しそうですし」
なんだか諦めたような、マイナス思考ぎみな発言を聞いてしまって、幸介にちょっとスイッチが入った。
「お前はそれでいいの?」
「、、はい」
「じゃあわかったこうしよう。俺が納得いかない。お前がいじめられたら俺が気分悪くなる。どうする?人が気分悪くなっちゃってるぞ?いいのか?」
「い、嫌です」
「よしっ、じゃあこれからいじめられない努力をしよう」
「む、無理です」
「最初から諦めんな!人間限界を決めたらそこがてめーの限界になんだよ。限界なんて決めんじゃねえ」
「はっ、はい」

アツいな俺。まあ流れに身を任せるのも時にはアリじゃね?

そんなこんなで、幸介と東條の共同戦線が組まれたのであった。

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