《MUMEI》 遠足〜江上視点〜 次の日 今日は、遠足の日。 バスに乗り込むと同時に 西村くんを探してしまう自分がいた・・・。 [離れるって決めたんだから・・・ こんなことしてたら 駄目だよね・・・。]っと考え席につく。 隣の席は 幼なじみの藤田 麗奈(れな)。 挨拶をすると 麗奈も挨拶を返し話始めた。 麗奈は、おしゃべりが大好きで気の利く子。 「今日な、お菓子700円までって書いてあったけどな、 1000円以上買ってきたんや♪」 「そうなんだ♪」 そう返すと [西村くんとも、そんな話したなぁ〜]っと 思い出し、また西村くんのことを 無意識に考え始めていた。 「でな・・・。 って瑠衣? 瑠衣!!聞いとる?」 麗奈が、私の前で 手をヒラヒラさせて 私の名前を呼ぶ。 私は、はっと現実に引き戻され、返事をする。 「えっ?あっごめん。」 麗奈は、ぷぅーと頬を膨らませ 「もぉ〜。しっかりしいや!」っと言った。 私が「うん。ごめんね。」っと返すと 「どしたん?悩み事でもあるん?」っと心配そうな麗奈。 「ううん。何でもないよ。ありがとう。」っと私は、笑顔を作ってみせた。 目的地に無事到着し、 外に出ると すごく広い牧場に 目が点。 でも、優しく吹く 春の風に 少し癒される。 麗奈とどこに行くか 決めていると 西村くんと目が合った。 私は、ぱっと目を逸らした。 でも心の中では [西村くん変に思っちゃったかなぁ・・・?]って考えてる自分がいた。 [駄目!駄目! 西村くんのこと考えないようにしなきゃ・・・ 西村くんのこと好きじゃない。 そうだよ! 好きじゃないんだよ。 好きなんかじゃない。] っと心の中で 自分に言い聞かせた。 結局、今日の遠足で 西村くんと目が合ったのは その1回だけだった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |