《MUMEI》 届け!この思い!!食堂では雨宮グループがなにやらたむろして話しあっている。 「ねえ、今日の幸介変じゃなかった?」 「ねー、いつもどっかフワフワしてて感情出るタイプじゃないと思ってたー」 「………」 女子たちが単に今日の幸介の様子を不思議がっている中、雨宮は一人不満が隠せないようだ。眉をひそめて貧乏ゆすりが止まらない。 「あーもう!むかつくなー!」 「、、どうするんだ?紫音」 ボーイッシュな感じの短髪で、目が少しつり目な彼女、青井静香が口を開いた。 彼女は雨宮と昔からの付き合いで、幼少期から一緒にいる、いわゆる幼馴染みだ。ちなみにクラスは雨宮の一つ隣。 「アレはけっこう強敵だと思うぞ?」 「そーなのよねー。若干変人キャラなんだけど意外と人気あったりするのよね〜、ん〜〜、、、」 腕組みをしてさらに貧乏ゆすりを激しくする雨宮。 「一度東條に対して愛想よくしてみたらどうだ?」 「あっ、それアリかも!ちょっと愛想いいフリして後で…くふふ」 雨宮がいやらしい笑みを浮かべる。 ーー屋上ーー 「とりあえずお前が………そしたら………逆に……いや違………なんでわかんない………くっ……はあっはあっ………」 「はあ、つまり………そこで………そしたら………という流れで………私は………あれ?……ちょ………う………」 屋上では幸介が、ジェスチャーを混じえ必死に色々作戦を伝えていたのだが、作戦の1割も東條はのみこめていなかったのではなかろうか。 「あんだけいつも本読んでんのに、はあっはぁ、どうしてこんなに理解力に乏しいんだ」 「説明のしかたの問題かと、、」 「言うようになったな、、」 「キーンコーンカーンコーン、、」 「とりあえず教室戻るか」 先に幸介が駆け足で教室まで戻っていった。 前へ |次へ |
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