《MUMEI》 魔女と翼女普段では考えられないような残虐な戦い方、それは見るものを恐怖させ怯えさせるための戦い方。 全身を染める血の幾分かは自身の血だが、相手に悟られぬように爪の血を舐める。 「どうした。この程度か?」 挑発するように笑い、一歩踏み出す。 「う・・うわあああああああ!!」 耐え切れなくなった敵が斬りかかって来るが、一瞬にして頭が爆発したかのように飛び散り、その場に崩れ落ちる。 「・・コーマ司祭様、我々の手には負えません!!」 バンプが進むのに合わせて後退しながら祭壇の前に佇む男に助けを求める。 「やれやれ・・使えない駒ですね。」 コーマ、そう呼ばれた男は肩を竦め、バンプに視線を向ける。 「時間は十分に稼げましたし、後は後始末。バンプ・クロムリトさん、縁があればマタお会いしましょう。」 優雅に一礼したコーマの周囲に魔法陣が展開する。 それに気がつき、突撃するバンプ、だが・・ 「それでは、御機嫌よう。」 直前で魔法が発動、コーマの姿が消える。 「・・逃がしたか。」 フィーーーーーーーーン・・ 立体型魔法陣が捩れ、歪み・・起動する。 「な・・・コレが狙いか!!!!!!!」 即座に防御するバンプ、そして・・、白光が弾けた。 「こんなところか・・」 手に持った剣を眺めながら静かに呟くハンディング。 リアムの武器屋で買った素材で造り出した剣、刀身の所々に筋が走り、銀色の刀身にアクセントを加えている。 ハンディングが立っているのはリアムの家の二階、彼女が工房として使っている所。足元には金属の破片や、宝珠の欠片などが散っている。 「完成したの?」 後方の机に座って作業をしていたリアムが声をかける。 「使ってみなければ解らぬが・・少々遊びを入れすぎたかもしれぬ。」 答えるハンディング。刀身を眺め、思案するように台の上に置く。 「ふ〜ん。剣名はどうするの?」 椅子から立ち上がり、ハンディングの隣で刀身を眺めながら尋ねる。 「・・「リオレイアテイル」とでも名づけるつもりだ。」 「どんな魔力を籠めたのか知らないけど、楽しそうに造ってたね。」 すでに造ってあった柄を取り付け、確認するように振る。 柄には4つの小さな宝珠が連なるように備えられ、紺の色彩を放っている。 「それほど変わった魔力は籠めていない。少し変わった機構を使用しているだけに過ぎぬ。実用性に関してはかなり疑問だがな。」 「リオレイアテイル」を鞘に収め、階段を上がっていく。棚に置いてあった包みを片手にハンディングに続くリアム。 屋上に出る二人。 「ん〜〜〜良い天気。」 背の翼を大きく広げ、伸びをするリアム。 「リアム、我の気のせいかも知れぬが・・」 教会の聖殿の方に視線を向けながらハンディングが言葉を発した時だった。 ドォォォン!! 聖殿の方角から爆音が響き、白光が吹き上がる。 前へ |次へ |
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