《MUMEI》
恋に溺れる自分 アイツの言葉
 ある日突然、廉が思いもよらないことを言い出した。
「今日からお前、俺の召使な。」
「…はぁ?」
「だーかーらー、お前は今日から俺の召使になれって言ってんだよ。」
「何で私があんたの召使にならなきゃいけないのよ!」
「そんなことどーでもいい。」
「良くないわよ!…第一召使って何するの?」
「全部」
「はぁ?」
「俺のやること全部。」
「……私絶対にやらない。」
「俺の命令は絶対。」
(こいつは何様のつもりだぁ!!)
「絶対嫌。」
「ちっ、じゃあ時間割だけ書いて。」
「まぁ…それぐらいならいいわよ。」
「よし、じゃあお前は今日から俺の召使決定だ!」
「ちょ、ちょっと!召使になるなんて、一言も言ってないわよ!」
「早速時間割を書く仕事を与えよう。」
「人の話を聞け―!!!」
 そんなこんなで、廉の召使(?)になった私。すごい否定したけど、本当はちょっとうれしかったのかも…って私はMか。

―放課後
「愛美ちゃーん!一緒に帰ろう!」
「あ、奈央ちゃん!それに華恋ちゃん。いいよ!一緒に帰ろ!」
「帰りましょー♪」
「華恋はさそってない。」
「奈央ちゃんひどい!」
「あはは、三人で帰ろ!」
「愛美ちゃんがそういうなら仕方ない…」
「やっぱひどいなー。愛美ちゃんとは大違い…」
「何よー。」
「もー!喧嘩しないの!」

「何やってんだお前ら。」
「廉!」
「本当にバカな奴のやることはよく分かんねぇ」
「どっちかって言うと、アンタのほうがバカじゃん!」
「ギャーギャーうるせえなぁ。俺もう帰る。……じゃあな愛美。」
『ドキン…』
「え…?あ、ま、またね!」
「おぅ!」
「あ、逃げる気!?」
「待てやこらー!!」
“じゃあな愛美。”
 何だろうすごくドキドキする。好きな人に言われたからかな?いつでも気がついたら廉のことを考えてる。
(私、本当に廉のこと、好きなんだ…)
 好き…大好き。毎日その言葉を繰り返していた。
 廉が好き…

―昼休み
「ふー。委員の仕事も終わったし、奈央ちゃんたちと遊びますか!」
「お、愛美。仕事終わったのか。」
「あ、廉。ねぇ奈央ちゃん達見なかった?」
「たしか、図書室に行ってた気がするけど…」
「分かった。ありがとう。」
「…愛美…」
「ん?」
「お前…かわいいな。」
「…はぁ?何言ってんのよ!」
「はは、ウソって。じゃあな!」
(な、何なのよ急に!か、か、かわいいとか言わないでよ!)

 男の子の考えることって良く分かんない…

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