《MUMEI》

「…私も飛べるだろうか…」


「飛べるよ、今はちょっと、飛ぶ前のウォーミングアップ中なんだ。
ちょっと運命に踏まれたから、それを立て直すために今頑張って起き上がろうとしている最中なだけなんだよ」



「…、…うん、そうだね…」



私は起き上がろうと手に力を入れた。
…その時




ブワッッッ……!




「「あ……」」




一瞬の強い風。






たんぽぽの綿毛が一気に舞い上がり、真っ青な空が白銀の世界に変わった。







私は、感動して、それを黙って見ていた。








「ありがとう、連れて来てくれて…」



私は自然に、凄く久しぶりに笑って男の子に礼を言った。








男の子も自然な笑顔を私にくれた。






また、ここに来たいと思った。

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