《MUMEI》
放課後です、会議です。
「また明日☆東條さんっ」
「う、、」
放課後になって皆下校を始める。
部活動に行くもの、帰宅するもの、図書室で勉強するもの、、、教室に残って作戦会議するもの、、、
「な、何があった?」
「わ、わからないです」
幸介と東條は二人残って先程のできごとについて話しあっている。夏海の鞄もまだ残っていた。
「からから」

おそらくトイレから帰ってきたのだろう。夏海が教室に戻ってきた。

「あ、ノート。どーもっす」
「ん」
「………」
東條は黙っていた。

なんだろう、空気が重いよ?

「きょ、今日はバイトないのか?」
「うん、お休み」
「そか、へえ〜…」

ワタシはいったいぜんたいどうしたらいいっていうのかしら。困ったわねえ。

「と、東條さん」
「は、はい」
「幸介と、仲がいいみたいで?」
「いや、そんなこと、ないです、、」

待てや〜!そんな変にもじもじ言ったら誤解を招くだろうが〜!!

「なんの話をしてるか、ちょっとだけ教えてもらえないかな?」
「え?え〜っと、、、」

そんなチラッと恥ずかしそうな感じの上目遣いで俺を見るんじゃねえ〜!いやでも、東條からしたらいじめられてて誰かに相談してるとこなんて見られたら嫌だろうしなあ、、、上手いことごまかすとしよう。

「なあ夏海、人には言いたくないこととか、見られたくないものとかがあるんじゃないか?」
「な、何よそれ!」
「なんか、恥ずかしいことというかさ、、」
「だからなんだっていうのよ!」
「いや、さあ、ね」
「なんなのよもう!バカ!!」
夏海はドアを乱暴に開けて出ていった。
「今日夏海の様子おかしいな」
「え?いや、その、、」
「ん?どうかしたか?」
「えと、なんでもない、です」
「?」
「私、今日はもう帰りますっ」
「そうか、なんか気持ち悪いけど、このまま何もなく平和になるといいんだが」
「では、先に帰りますね」
「ああ、俺はもう少しぐだぐだしてから帰るわ」
「それじゃ」
東條は荷物をまとめて教室を去っていった。
「………ふむ」
幸介は教室に一人、考えを巡らせていた。

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