《MUMEI》
危険な信号
「あたしは、誰ーー。」

えっーーー
一気に静まりかえった。
『茄魏。本当なのかい?』

『おいおい、まさかさっきの衝撃でか?!』
「茄魏。僕の事やこの人の事は、分かるよな?」

ただ茄魏は黙ってた。
ーふと言った
「あたしは、皆の事は分かる。でも・・自分の事が分からない。」

何故こんな事がおこるんだ
『記憶喪失って事か。』
ーチッ
『ガキ。俺たちは人間じゃあねぇ。
れっきとした、`鬼´だ。悪いが俺たちの正体を知った以上、茄魏の代わりに手伝ってもらうぜ。』

茄魏が記憶を取り戻すまでは・・。
『ガキ。一つだけ言っておく。』
「・・・?」
『俺たち鬼狩りの鬼は、記憶を無くすと・・』
《ゴクッ・・。
冷や汗が出てきた。
『完全に我を忘れ、暴走しちまうんだ。』
ー・・・・・
『いや。こんな事が起こったのは
これが初めてだからよぉ。
じじいに聞いたんだ。』

ー完全な・・・鬼に。
僕は何も言えずに、ただ現実を受け止めていたようだった。

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