《MUMEI》
覚悟
ーん・・・
僕が目を覚めたとき、別の部屋に寝ていた。
あれは、幻だったのだろうか?
ーっ。
胸の辺りに包帯が巻かれて、血が
にじんでいた。
幻ではなかったのだ。茄魏に(鬼に)
刺されたのだ。

《スタスタ・・・
ー?
『目ぇ覚めたか。調子は?!』
「鵺紅丸さん。」
鵺紅丸の、服の裾の所に血がついていた。
「茄魏は?茄魏はどうなったんですか?!」

『こっちこい。』
さっきの刺された場所を通って行くと、血の海になっていた。
ー・・っ。

《スタスタ・・
ー・・。
【封】・・・
茄魏は【封】の札が貼られており
縄で縛られていた。
まだ、目が覚めていない。

ー昨日の事が、二度と起きないように・・・
僕は覚悟した。
ー茄魏が鬼であろうと人じゃなくても守りたいー

この深く残った傷跡が、僕の覚悟を決意した時だった。

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