《MUMEI》
ハジマリ
帰り道。

何度かため息をしながら自宅へと向かう。

家に帰っても、誰もいない。

今さらだけど、少しだけ淋しいと感じた。
私は、ひとりだった。

私の両親は、旅行先で偶然戦争に遭い、死んだ。

悔しかった。その時私は、軍人になろうと思った。大切な人を守るために。


誰もいない家に着いた。
静まりかえった室内に入る、はずだった。


室内には黒いスーツを着た男と、その後ろに軍人らしき二人の男が待っていた。


「待っていました。」

その時私はゾクリとした。

「・・・・・・誰、ですか。ここは・・・私の家です。何か・・・御用ですか。」

途切れ途切れに男に訊ねる。
するとスーツの男はフッと笑って

「はい、私共はご覧の通り軍人なのですが、あなたにご協力頂きたいと思いまして。」

「意味が分かりません、私はただの女子高校生です。」




その時私は、ピリッとした痛みと共に意識が飛んだ

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