《MUMEI》

「…………理由は聞かないけど、七生が学校に行かないのは良くないんじゃないかな。優しそうな人じゃない。笑顔が可愛いくて、すらっとした美人さん……」
眼鏡で隠してるけど七生が好きそうな鋭い目を持った美人だった。


「じろーは何も知らないじゃないか。」
胸の辺りが焼けるようにチリッとした。



「……そうだよ。何も知らない。
でも、お前が今苦しいのは解るよ。それにさ、向かい合って話してみると意外と印象違うかも?

七生は俺のヒーローだから、逃げちゃ駄目だよ。
じゃあ、俺先行くから。」


「二郎。俺はお前が考えてるほど万能じゃない」


「そうだね。考えも無しに直感で行動する。常識はずれでだらし無い、思い通りに行かなきゃ暴れ狂う。勉強する気力はないくせに常に愛に飢えている野獣………………」


「コノヤロー!」
七生が布団を丸々俺に投げ出す。視界が布団で埋まり、その重みで転倒した。

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