《MUMEI》 まさか、こ、恋?「只今より、有名私立高の親善パーティーを始めます。」 「皆様、今日はたくさん楽しんで下さい。」 代表者による挨拶が終わり、説明が始まった。 いまから、まずバイキング式の食事がある。その時にダンスの相手を見つけるらしい。 けど・・・。どーしよ。 映美さんも舞衣子さんも頑張って、て言っていなくなっちゃた。 あっ、相変わらずあの人はみんなにパーティーのパートナーにって申し込まれてる。 でもあの人は全くその気がないみたい。全然笑ってないし。 って、人の気持ち心配してる時じゃないよ私、もう、どうしよう。 話しかけずらいよ・・・もともと人見知りするタイプなのに。 そうやって、ボーっと座っていたら、あっという間に食事の時間終わっちゃったよ〜。 「ではみなさん、ダンスの時間になりました。」 あー、やっぱり私は一人かな・・・・・ その時、向かい側にいたあのいっぱい人が集まっていた輪の中から一人が出てきた。 あ、あの人だ。 パシッ。・・・へ? 私はその男の人に手を掴まれていた。 ええっ、な何? 「ちょっと、・・」 「いいから、踊って。」 う、そ。 私に踊るパートナーがいた事よりも、今この人と踊っている事が信じられなかった。 それにしても近くで見るとやっぱり綺麗。 整った鼻、大きな目、小さい口。すべてが完璧だった。 こんな人と私なんかが踊ってもいいのかな? 「あの、ダンスに集中してくれる?」 気がつくと私は彼の足を多分5回は踏んでいた。 「あ、ご、ごめんなさい。」 (あ〜も、バカバカ!) 「うっ!」 私はこの時に気づいた、周りの人の嫉妬の視線に。 あぁ、何で気づかなかったんだろう。私は沢山の人からねたみを買っていただけでなく、 沢山の人を、敵に回してしまった。この一瞬で。 でもそんな事すぐに忘れてしまっていた。 いきなり音楽のテンポが速くなり、それに合わせ2人のダンスもスピードが上がっていた。 え?何このステップ?分からない。どうしよう。 「適当でいいから。俺にからだ任せて。」 いきなりその人が言った。 「は、はい。」 びっくりして、敬語になちゃった。 ?ん、っていうかこの人何年生? 私、この人の事何も知らない。 「きゃぁっ!」 その時だった、慣れないステップで、足が絡まった。 へ?気がつくと私はそのまま滑って―?その人の膝の上にいた。 「ジャン」 っと、一緒に音楽も終わった。 「ナイス。」 その人は言った。 私は、もしかするとそのまま転んで大恥をかきそうになった事も忘れて、 その人が、かすかに笑って汗を拭くところを見て心臓が飛び出そうになった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |