《MUMEI》

す、すげぇ…

俺は指示された場所にすわり

家の中をぐるりと見わたしてつくづくそう思った。

見た目もすごけりゃ中身もすげぇ…

こうしていると俺は急にそわそわしだした。

さっき時計を見たらもうみきが帰ってくる時間だったからだ。

…とこんなことを思っていると

玄関の戸があいて「ただいま〜」と言う声が響いた。

この声は!みきだ!みきが学校から帰ってきたのだ。

自然に自然に!!と俺は自分に言い聞かした。

みきの足音がどんどん近づいてくる。俺は勢い良く

目をつぶり大きな声で「お、おかえり!!」

と言った。全然自然じゃねーじゃねーかよっ!どうすんだよ!

「ただいま…」えっ?俺は驚いた。今のは俺の聞き間違いか?いや違う。

今のはみきが言ったんだ。そんなにあっさりでいいのかよ…

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