《MUMEI》
警戒とキス
〜蒼夜の家にて〜
「おじゃまします」
「よっ」
「へぇ〜
兄ちゃんの彼女かわいいね」
「いや、彼女じゃないから!」
遥は顔が真っ赤だ
俺は遥の手を引いて俺の部屋に入った
「すまん妹が変な間違いして」
遥は少し警戒した顔で俺を見ている
俺の部屋に入った瞬間からだ
(どうしたのだろう?)
「どうした?
なんだか警戒した目をしてるぜ?」
「親に男の子の部屋に二人っきりで入るときは注意しなさいって言われてるの」
「なるほどな」
「別に蒼夜だから警戒してるとかじゃないよ?」
「わかってるって」
「蒼夜ならむしろ…」
「なに?どうした?」
「いやっ、な、何でもないよ!」
「え?あ、あぁ何でもないのか…」
の割りには顔が真っ赤だが…余程言いにくいことだったのだろう
「ううん、やっぱ何でもある!」
そう言いながら、がっしりと掴まれた両肩
「はい?」
「蒼夜!私は貴方が好きです!!
付き合って下さい!!」
「え?あ、はいっこちらこそ宜しくお願いします!!」
「ありがとう…」
そのまま遥は背伸びして俺の唇に自らの唇を重ねた
(女の子の唇ってこんなに
やわらかいのか)

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