《MUMEI》
出会い
「美嘉、早く起きなさい、入学式早々遅刻したいの?」
「う〜ん。起きる。・・・」
「って言いながら何でまた寝るの、早く起きて。」
あ〜無理やり起こされた〜。朝には弱いの〜。
ん?今日は入学式か〜。
えっ、て言うかまだ出かけるまで1時間あるじゃん。お母さん早くに起こしすぎだよ。
あぁ、もう。目さめちゃった。朝ご飯食べよ〜。

私、入江美嘉は今日から高校1年生。
家からはちょっと遠い私立の西丘高校に行く事になったんだ。
それにしても、やっぱり制服かわいい!
制服がかわいいのも私がこの高校を選んだ理由。
まぁ、後はヨット部がある事かな?
ヨットって、なんだか楽しそうだよね。
それにしても、ここ、結構頭がいいから受験勉強大変だったな。

「美嘉〜もういくよ〜。」
「はーい。」
なんか緊張してきた。よし、行こっ。

あれ?門どこだっけ、さっきから学校の周りぐるぐる回ってるよ。
入口が分からなかったら、入れないしー。
う〜ん。どうしよ。
あっ、誰かいた、西丘高校の制服だ。聞こっ!
「あ、の〜。学校の、い、入り口どこですか?」
もともと人見知りする私だけど勇気を振り絞って聞いてみた。
「・・・。そこだけど。」
その男の人は自分の後ろを指差した。
「へっ?」
うそっ。自分の後ろには門があった。
すっごい恥ずかしくてそのまま逃げてきちゃったよ。
だめだな。私。
なんて落ち込んでたら、あの男の人が教室に入ってきた。
私は、4組。ここは、4組の教室。
う・・・そ。同じクラス?
あぁー恥ずかしすぎて死にそう。
「おっ、鎌司!」
ある人がその人に向かって叫んだ。
あ、あの人は鎌司くんっていう名前なんだ〜。
その時、鎌司君がこっちを見た。
びっくりして、すぐに顔を背けたから目があったのは一瞬だったけど、
私の頭の中にはその人の顔がくっきりと鮮明に記憶されていた。
素直に、ただ、かっこよかった。
それだけだけど、私の中では何か、大きなことが起こっていた。
始めて話しかけてた時は顔を見てなかったからわからなかったんだね。
その後、席替えがあった。
鎌司君は私の机から、通路はさんで右前。
ばっちり見える角度だった。それが私を不幸にした。
(駄目だ、全然集中できない)
どうしてでも授業に集中しようと努力したけど、どうしても目が行ってしまう。
(あー、私どうしたんだろう)

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