《MUMEI》

私は、いつもより少し早い起床だったようだ。
手にとった時計の針は6時より少し前を指していた。

「・・・・・・」


私はゆっくりと立ち上がり、姿見の鏡を過ぎ、洗面台の前に立つ。

「はぁ・・・」

私はため息をついた。
鏡の自分も一緒にため息をついた。

そして、着替えようとクローゼットへと向かった。

もちろん、私物などひとつも持ってきてなどいないが、私は無理矢理連れてこられたのだから、服のひとつはあるだろう。

そしてクローゼットを開くと、やはり服はあった。
だが、全く同じものが、数えると五つあった。

そのデザインははと言うと、
全体的に黒く、左肩から右腰へ白いラインがあり、黒く短いスカートと
黒いブーツ、というものだった。


仕方ない、と思いそれに着替えた。
そして着替え終わり、鏡を見ると、スカートは腿半分、よりも短かった。


そんなことをしているうちに、ドアをノックする音が聞こえた。

もうそんな時間か、と思い時計を見ると、7時半、予定よりも早かったが、特にやることもなく、私はドアを開けた。


ガチャ、


「おはようございます、いのりさん。お早いですね・・・、よく、眠れましたか?」

「はい・・・おはようございます・・・ぇ、と、はい、よく眠れました。」


「それはよかった。準備ができてましたら、このまま訓練場場所へ行きますが、よろしいですか?」

「ぁ、はい、あの、」

「はい?」


「あの、服は、これでいいですか?」

「はい、それは戦闘スーツですので、ここでは、それを着ていただきます。」

「ぁ、そうなんですか?・・・じゃあ、準備できてます。大丈夫です。」


「では、行きましょう。」



そして、私は廊下に出て廊下を歩き、エレベーターに乗り、また廊下を歩き、外に出た。


そこには、広いグランドがあり、五つの人影があった。

男がそれに向かって歩き出したため、私はそれに付いていった。

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