《MUMEI》

「――――よっと!」






スタッ、と殆ど衝突音を立てずふわりとまるで紙風船がゆっくり落ちていく様を見ているような感覚だった。


少年は着地した場所から立ち上がり両腕を上に突き上げ伸びをする。 



「ん〜…まぁまぁ寝たかな?」

「………あたしの質問、無視なの?」

「質問?あぁ、僕の名前が何かってゆうあのありきたりな質問?」

「……そう、そのありきたりな質問ッ」

「見た目よりも短気だな〜禿げるよ?僕の推測じゃああと十年以内かな」

「………………………」

「怒った?ごめんごめん、謝るよ今話題の中心、代々木朋夜(ヨヨギトモヤ)さん♪」

「!!」








ハッキリと、悪意もなく、
純粋無垢な子供が喋る言葉のように…

興味心も好奇心もちらつかない表情で



……………………なに、コイツ










「怒った?それとも違う感情?それにしても珍しい名前を付けられたんだね、女なのに男みたいな名前。けど文字にしたら逆に女の子らしい。誰が名前つけたの?」

「何処まで知ってるの………」










自分自身、声の低さに驚いた。











「え?」

「あたしの名前しってるぐらいなんだから詳しく知ってんじゃないの…?」







その追及するような言葉のなかにも密かに不安めいた要素を含んだ声に少年は静かに間を置き、朋夜の内心を見透かしているような目付きでハッキリと、






「あぁ、うん、知ってるよ?代々木朋夜とゆうまだ17歳の女子高生が、ある国語教師(35歳妻子持ち)とバレてはいけない関係にあったとゆうことを」

「――――――ッ!!」











少年の瞳は深く深く黒く色付く、








「でもバレた。噂はたちまち広がった。凄いよねインターネット並の速さでさ、」

「でも、それはッッ!!」
「知ってるよ?」

「――――――――え?」









そんな言葉が帰ってくるとは思わなかった。あたしはただ開いたままの状態の口を固めとくしかなかった


少年は尚も飄々と、













「不倫、とか、そんな間柄じゃなかったんだよね?君は信用していただけなんだよね?犯人はまだ他にいるんだよね?」

「なん、で……………そんな深くまで」

「まぁまぁ、気にしないでよ」
「そんな、気にするに……「君を助けてあげるよ」











―――――――――――――は!?







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