《MUMEI》
30分前の珍事
………………………………



    県営武道館
     控え室



………………………………



「汗やべぇな…」



「替えTは?」



「あと1枚。と、ユニフォームだな。」



「んじゃ何とか持つな。」



「…」



先ほどまで海南高校が使用していた控え室には、


決勝を待つ赤高の姿があった。



「…不安な気持ちが顔に出てるよ。」



「え?」



難しい表情のクロに安本が声を掛ける。



「俺が言えた話じゃないかもしれないが、


1番不安な表情を見せちゃいけないのは他の誰でもなく、


キミだろ?」



「不安…ってわけじゃないんすけどね、


ピリピリしてんのは確かっす。


けど安本さんの言うことはもっともっすね。


すません。気をつけます。」



コンコンッ。



ドアを叩く音がした。



「はぁい?」



ドアを開ける佑香。



「よっす。」



「あ、どうも。」



「クロいる?」



「はい。クロさ〜んッ。」



クロを呼ぶ佑香。



「ん?」



振り返るクロ。


そこにはヤマトと恭介の姿があった。



「おぅ。どんな感じよ?」



部屋には入らず、
外から中へと話すヤマト。



「…」



ポリポリ…



クロは頭をかく。



「…外で話そ〜か。」

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