《MUMEI》 バタンッ… 控え室を出るクロ。 「あいつらの調子は?」 尋ねるヤマト。 「…わるかぁないよ。」 歯切れの悪い返事だった。 「けど、良くもないと?」 恭介が尋ねる。 「ん…」 クロは表情を曇らせる。 少し考えクロは口を開いた。 「決して悪くはないんだけどね、 3日目ともなると蓄積した疲労がやっぱりあるかな。 試合で十分に動く為には普段以上のアップが必要だと思ってやらせてんだけど、 そうすると今度は試合でのスタミナに不安が残る。 あいつらのスタミナを信じないわけじゃないけど、 さすがに今日ばかりは100%の状態とは思えないかな。 唯一の救いはメンタル面に関しては普段以上にノリがいいってこと。 これがスタミナ面と直結してくれりゃあいんだけど。 いかんせんメンタルってのは些細なことで崩れやすいからね。 とかなんとか色々考えながらやってたら僕も疲れたよ…」 クロはため息混じりに話した。 「向こうも疲労が蓄積してんのは同じ条件だろ? そこまで不安がる要素じゃね〜よ。 むしろここまでの試合で怪我人が出てないウチの方が有利だよ。」 緊張感漂うクロを励ますようにヤマトが答えた。 「…なるほどね。一理ある。」 「あいつらだって今日乗り切ればいいことわかってんだし、 多少の無茶は平気ですんだろ。 スタミナ切れで走れないなんて事態はさすがにないと思うぞ。」 恭介も同様にクロを励ます。 「…サンキュー。若干気持ち楽になった。」 クロは笑う。 「らしく行けよ。」 「クロも含めてな。」 「…了解。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |