《MUMEI》
ファーストキス。
「あんたらの会話全部聞こえてるんだよ!」
「これでも食らえ___!」
僕はかつてない程にビビっていた。
慣れていない全裸での木登り。
しかも下からは覗き対象からの狙撃。
「ぎゃあああああああ!!!!」
気が動転していた。
BB弾が全身の素肌に命中していて、かなり痛い。
僕に今、BB弾を防ぐ術はないのだ。
何とか逃げ出そうと少し動いた途端、

メキッ

嫌な音。
「う、嘘でしょ………?」

バキッ

「折れた――――――!!」
僕は真っ逆様に落ちた。
そして落下地点には、ミクちゃん!?
僕は何も出来ず、ぶつかってしまった。
目を開けると、まだちょっと明るさに慣れていなくてわからない。
でも、何だか違和感がある。
全身に。
確認出来るのは。なんと、僕の唇とミクちゃんの唇が重なり合っているじゃないか。
これって……ファーストキス?
ミクちゃんが目を開けたので、僕は勢い良く顔を上げた。
その時、僕は初めて全身を目にする。
ミクちゃんのバスタオルは外され、全身が露出されていた。
しかも僕の右手はミクちゃんのおっぱいを触れていた。
更に開脚していて、女の子の大事な部分もモロに見えてしまっている。
僕は一度にミクちゃんの全裸を見てしまったみたいだ。隅々と。
僕はあまりのことに硬直した。
多分、ミクちゃんも。
この時美鶴が僕の側頭部に跳び膝蹴りをしなければずっとこのままだったかもしれない。
「この……変っっっ態っっっ!!!!」
更に顔面に拳を叩き込み、ミクちゃんを連れて温泉から出て行った。
僕は鼻血が止まらない。だが、止めようともしない。そこまで頭が追いついていないからだ。
響介が目覚めた。
「……あれ? 何かあった……? ん、お前鼻血大丈夫か?」
ヤバい。マジ僕ヤバい。

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