《MUMEI》

雪がまだ、微かに残っていた。

公園のベンチに腰かけると
ひとりで遊んでいた小さな男の子が
私の足元に小さな雪だるまを置いた。

"おねえちゃん、ひとり?"

"うん"

"ぼくもひとり"

届かない足をぶらつかせながら
小さな頭はうつむく。


"ねぇ、空って、何色だと思う?"

"え?そらは、みず色だよ"

"そっか"


あたしの空は、いつから黒くなった?

きっと、あの日から。

あたしは、
なにも感じなくなった

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