《MUMEI》
事情聴取
警察署につくと、二人は小部屋に案内された。
「今、事情聴取させてもらってるんです。」
二人を案内してきた若い刑事が、ドアを開けながら言う。
「他の友達もいるから。…どうぞ?」
中に入ると刑事が言っていた通り、三人が椅子に座っていた。
優香と美樹は泣いており、井上は俯いている。
机を間に挟んで、向かい合っていた三十代前半くらいの刑事は、紙に何やら忙(セワ)しなく文字を書いていたが、二人が入ってきた事に気付くと、一旦ペンを止めて声を掛けてきた。
「あぁ、司君と洋平君だね?こっちに座って。」
「はい…。」
言われるままに、空いていた井上の隣に腰掛ける。
「え〜‥それじゃぁ揃った所で、一体何があったか話してくれるかな?」
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