《MUMEI》

………………………………



     観客席



………………………………



ガヤガヤガヤガヤ…



「おい、来たぞ。」



ガヤガヤガヤガヤ…



「え?」



ガヤガヤガヤガヤ…



「ほら、あそこ。」



ガヤガヤガヤガヤ…



「おッ!!とうとう登場かッ!!」



ガヤガヤガヤガヤ…



………………………………



コートでは女子の決勝の真っ最中。


試合は前半23分を過ぎたところ。


前半残り7分の時点で、


いよいよ男子決勝進出の2校の姿が体育館に現れた。


聖龍と赤高である。


アップの時間を待つ両校は体育館端でその時間を今か今かと待ち構えていた。


目立った動きこそないものの、


両校の存在感はやはり大きい。


男子決勝を楽しみにこの会場にいる観客たちは、


その姿が見えただけでも興奮を隠しきれなかった。



………………………………



ガヤガヤガヤガヤ…



「…で?どうなんだってあいつらの調子は?」



ガヤガヤガヤガヤ…



「さぁ?決して絶好調ではないような言い草でしたけど、」



ガヤガヤガヤガヤ…



観客席に座るヤマトたち。


直接クロに話を聞いたヤマトと恭介に海南クラブの面々が赤高の様子を尋ねていた。



ガヤガヤガヤガヤ…



「なんだぁ?曖昧な返事だな。」



ガヤガヤガヤガヤ…



「…俺から言わせりゃ不調はクロの方っすよ。」



(あいつ寝てね〜し。)



ガヤガヤガヤガヤ…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫