《MUMEI》

 ――次の日――

「友里乃〜。」と美由が声を掛けてきた。

「何?、美由。」と私は言い返した。

「アンタ、私の好きな人取る気?、いい度胸ね。」と美由が小声で言ってきた。他の人には聞こえないように。

「とっ…取る気なんてさらさら無いよ。」と私は本当の事を言った。

「嘘付け。じゃ、里香が言ってたのは何?」聞き返された。

「里香は何て言ったの?」私も言い返した。

「『友里乃も竜君のこと好きみたいだよ、もしかしたら、美由から取ろうとしてるんじゃない?』ってね。」嘘…。私取るなんて一言も言ってない…。

「そんな事、言ってない。私も偶々…」

「言い訳なんていらない。嘘つき。裏切り者。もうアンタとなんか絶交する。勝手に竜君とって自己満足しとけば?、私が必ず取り返すから。」と美由は私の言い分も聞かずに去っていった。

「嘘つき?裏切り者?それは、美由のことでしょ?」私は憎しみに溢れていた。

もう美由も里香も信用しない。信じない。
必ず私が二人に復讐してやる――――。

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