《MUMEI》

もう、すかっかり私の悪い噂が回っているようだ。
もちろん、萌花から流れた噂でしょうけどね。

よし、萌花にどこからの噂なのか、聞きだしてやるわ。

「萌花ちゃん、今私の悪い噂流れてるんだけど、どこから流れてるか知ってる〜?」と私は笑みを浮かべながら訊いた。

「しっ…知らない。そんなの。」萌花は言い返した。

「嘘だぁ。萌花、アンタが流したんでしょ?」と私は言い返した。

「流してない!!」と萌花は言った。

「あら。その口が裂けても言えないのね。なら、今私が裂いてあげるわ。」と私はポケットに入れていたカッターナイフを出した。

「止めてっ…。」と萌花は目を瞑った。

「口のトコから、頬まカッターで切ってあげる。口が裂けちゃうでしょ?」私はハハハ、と笑いながら言った。

「こうやって、人が傷つくの見て、喜んでるの?」萌花は今にも消えそうな声で訊いてきた。

「は?アンタに関係ないでしょ?」と言い返した。ムカツクわね。

「私、携帯持ってるの。誠でも呼ぼうかな。」と携帯を萌花はいじりだした。

「止めなさい!!!!」私はとっさにカッターを振り上げ、萌花に投げつけた。

ザクッ。
萌花はその場に倒れた。
カッターは萌花のお腹に突き刺さっていたのだった。

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