《MUMEI》
眞季の決断
「じゃあ痛いのと気持ちいいの、どっちがいいか選んでよ」

寂し気だった眞季の表情が、歪んだ笑みに変わった。

「痛いのって……また…叩くの?」

「そうだよ…今度はものさしじゃなくてベルトだからさっきより痛いかもね……」

「……じゃあっ…気持ちいいのって?舐める…だけ?」

嬉しそうに笑った眞季を見て、自分が口にした言葉に、ハッとした。


私……、なに言ってるんだろう。

「舐められて気持ち良かったの?」

「違っ……」

「違くないでしょ?素直に言ってよ、オマ●コ舐められて気持ち良かったです…って」

「あんなの気持ち悪いだけよ…」

今更否定したって、遅い。
あんなこと言ったら眞季の言う通り、舐められて気持ち良かったって言ってるのと、一緒じゃない…。

「プライド高いんだから…そんなに僕に負けるのが嫌なの?まだ眞季なんかって思ってるの?」

「…だって……そうでしょ…」

「まだわかってないんだ…僕がこのまま陽菜のワガママ聞いてると思ってるの?もう今までとは違うよ?」

わからない…。
私は本当にプライドが、高いのかも知れない。
眞季の言葉全てに混乱する。
眞季が今までと違うことなんて、わかってる。
もう、私の知ってる眞季じゃない。
お兄ちゃんと一緒…。眞季は逆らったないけない人。


わかってるのに……。

「僕が相手だからって甘えちゃダメだよ…」

逆らっちゃいけないって、わかってる筈なのに、認めたくないだけ?受け入れたくないだけ?


眞季を否定する言葉が、止まらない。

「でも…そんな汚いの…舐めらんないよ」

「ふぅん…、そっか…。陽菜はそんなふうに思ってたんだ…僕は陽菜に汚い物なんてないって思ってるのに」

「…だって……汚いとこでしょ!?あたしのだって……」

それは、わかる。
あんなの汚いだけ。

「オシッコ出すとこだから汚いの?僕は舐めれたよ?陽菜のオシッコだって汚いと思わないよ?」

一緒にしないで…。
汚いと思わないなんて、そんな風に思える人いない。
あんなのを舐めることが、どれだけ苦痛か…。

「…それは眞季がおかしいからでしょ…」

「……陽菜…僕、決めたよ痛いのにしよ」

眞季の瞳が暗くなった。

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