《MUMEI》
後悔
私は少し、油断していたのかも知れない。
舌で口内を犯されるなんて、初めての経験に、何か成し遂げたような気になっていたのかも知れない。
眞季の口から、そんな言葉が出てくるとは、思ってなかった。

「陽菜は厳しくしないとわからないから」

眞季はそう言ってから、抵抗する私を仰向けに寝かせた。
縛られている私の体は、仰向けのまま足を大きく開き、露れもない情けない格好になった。

「陽菜はオシッコ漏らして厭らしい汁でいっぱい汚くしたとこ僕に舐めさせたんだよね…?そんな陽菜の汚いオマ●コはお仕置きしなきゃいけないよね……?」

満足気に笑う眞季が、これから何をしようとしてるのか想像できた私は、激しく抵抗した。

「いや!いや!いや!いや!やだッ!やめて!」

「…陽菜……暴れたらヘンなとこに当たって余計痛くなっちゃうから……いい子にしてなきゃダメだよ?」

それでも眞季は、子供をあやすような口調で私の頭を撫で、ベルトを握り締めた。

「…ゆ、ゆる…して……おねが…ぃ …」

もう、上手く言葉にできない。

「僕を怒らせたら怖いんだってちゃんと覚えておいてね?」

「わかっ…た、から……も、う…眞季なんか…って、言わな、いか…ら」

震える声を抑えながら、ゆっくり言葉にした。
それでも眞季は、優しい口調で続ける。

「さっきできなかったんだから今度は10まで数えようね?」

「やだ…やだ…」

「いくよ?」

眞季の声が一瞬、低く聞こえたと思った次の瞬間、空を切る音がして激痛が走った。

「きゃああああぁぁぁぁぁッッ!!!!!」

自分でも聞いたことのない叫び声が、部屋に響いた。

「ほら、数えて…10回で終わらせたいでしょ?」

「…ぃ…い、ち…」

あんなに叫んだのに、微笑んだままの眞季の怖さと、感じたことのない痛みに私は、震えた声で数を数えた。

「いい子だね」

そう言って笑った眞季の言葉に一瞬、やめてくれるんじゃないかと期待したけど、眞季は手に握ったベルトを再度、振り下ろした。

「ぁぁぁああッッ!!!!……に… に……ぃ」

激痛の中、私は兄たちのことを考えていた。
お兄ちゃんじゃないから大丈夫、そう言い聞かせていた自分に、後悔した。

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