《MUMEI》

バスッ…!!



「ナイッシューッ!!!!!!」



下からの3対2。


右45のレギュラーである鈴木がシュートを決める。



「調子良さげっすね健さん。」



声を掛ける後輩たち。



「ん、悪かぁない。」



表情からは固さが感じられた。



ヒュッ…!!



すぐさま次のグループへとパスが投げられる。


攻撃メンバーは桜井・井川・広瀬の3人。



「行くぞぉッ!!」



ボールを受け取った桜井が声を出す。



(やれやれ…)















………………………………



下からの3対2は対戦前のアップとしては非常にポピュラーな練習と言える。


ハーフコートしか使えない状況下での練習において、


実践形式に近く、


試合前の運動量と回転数の効率さを考えれば非常に効果的な練習であるということが理由として挙げられる。


赤高・聖龍共にこの練習を選んだことに、


何の違和感も存在はしない。


………………………………














「なッ………!!!!??」



…はずだった。



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「なにぃぃぃぃッ!!!!!???」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



観客席は爆発。


それもそのはず。


たった今、


目の前で信じがたい出来事が起きようとしているからである。


赤高・聖龍。


互いの練習スペースハーフコートを区切る中央ラインに差し掛かっても、


桜井たち3人は折り返し自軍コート側に向かおうとはしていなかった。


3人が向かう先、


それは対面する位置にある赤高側のハーフコート。


つまり、


現在赤高が行っている3対2への乱入を決行しようとしていたのだ。



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「ふ…ざけやがって…」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「関谷さんッ!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「わかってるッ!!
ぜってぇ決めさせねぇぞッ!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



この時、
赤高のディフェンスは椎名と関谷の2人。



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



(売られた喧嘩だ…
負けは僕が許さない。)



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



クロの目付きもここに来て変化を見せる。

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