《MUMEI》

日高を呼ぶ椎名。


状況を3対2とする為に残り1人。


椎名は日高を選んだ。



(俺かよ…)



走りだす日高。


だが、



(えっ…)



日高の足はすぐに止まる。














ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「なにいぃぃぃッ!!!!!!???」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!














会場全体に驚きの声が上がる。














(わっるいね…)















日高が走りだすその前に、


既に1人走りだしていた。


故に日高の足は止まった。


走りだしていたのは、















ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!



「お前選手じゃねぇだろおおぉッ!!!!!」



ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!














走りだしていたのはクロ。


故に日高は困惑した。


故に会場からは驚きの声が挙がっていた。



「なっ、何してんすかクロさんッ!?」



思わず叫ぶ椎名。



「あんたコーチだろッ!!」



同様に突っ込む関谷。


しかしスピードは下がらない。


走りだした以上、
止まるわけにはいかなかった。


シュートを打つまでは。



「この空気に呑まれてるお前らじゃあちょっと荷が重いかと。」



(ここで決めないと舐められて終わるのがオチだしね。


そんな状態で試合に臨みたかぁないでしょ?


だったらここは僕しかいないじゃん。)



クロは空気を察していた。


ここで決めることができなければ相手に恥をかかされるだけ。


そんなチームを会場は応援しない。


むしろここでコーチが飛び出すなんてアクシデントをやらかすくらいのチームの方が会場には応援してもらえると直感的に理解していた。


だが、
それはあくまで解答の半分に過ぎなかった。


今挙げた理由が脳裏に焼き付くその前に、


クロの足は動きだしていた。


クロ自身、
それを理屈として理解することはなかったが、


ただ純粋に、
目の前にいる桜井春樹という高校トップクラスの選手と対戦してみたいという、


いち選手としての本能がクロの足を動かしていた。


いや、
正確には対戦したいのではなく、



「さぁ…決めるよ。」



勝ちたかったのだ。

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