《MUMEI》
絶望。
品川は私に近付き、目をジッと見た。
「聞いてなんか……ないです……」
まだずっと見ている。
……なんだろう。怖いよ。
「目は口ほどに物を言う。聞いたのか」
「……ご、ごめんなさい……。誰にも……言いません……」
「信用できねえな」
品川は近くにあったナイフ(メス?)を手に取り、私に近付いてきた。
「お、おい! 大事な人質だぞ!?」
「安心しろよ。殺しゃしねえ。喋れねえようにするだけだ」
「………傷だけは付けるなよ」
「わかってるさ」
品川はナイフを逆手に持ち、ナイフを振り下ろした。
服の真ん中あたりをビリッと切った。
「きゃあああああ!!!」
私のおっぱいは露出されてしまった。
「うるせえな。ガキの裸なんか見たってタタねえよ。おい目黒、お前ヤっちまうか?」
「オレはロリコンじゃねえよ」
品川はカメラを取り出し、5・6枚撮った。
私は恥ずかしくて気が狂いそうになる。
「まあ今時のガキよりはデケエみてえだけどな」
私は泣き出した。
「……絶対に……言いません……。約束します……」
私はこう言うしかなかった。
「言ったらこれをネットにバラまくだけだ。俺らも捕まっかも知んねえが、ガキも道連れだ。もっと過激な写真撮って、もう社会復帰出来ねえようにすっからな」
カメラを投げ、椅子に腰掛けた。
秋葉原が本を綴じ、私に近付いてきた。
ヤられてしまうのかと思った。
「やめて…、やめて…、やめて……」
秋葉原は上着を脱ぎ、私の服の乱れを直した。そして、上着を被せた。
「こんな羞恥させて、悪かったな」
それだけ言って、立ち去った。
でも優しいだなんて、私は思わない。
その優しさで私を解放してほしい。
助けてほしい。誰か……助けてよ……。
美鶴ちゃん……。響介くん……。新斗くん……。薫くん……。
私は気付かれないように泣いた。
でも、多分気付かれてたと思う。
私は一体どうなるんだろう……。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫