《MUMEI》
夢の中に
人は小さな頃から色々なことを学び、身を持って経験し様々な事に対して興味を持つ。
しかし稀に他人とは違った環境にいる人は、そういった概念を持たずに生活している人も数少ないながらいる。
「貴方は、どこにいるの?」
はっとして起き上がり時間を確認した。
「7時か…」
まだ睡眠を欲している身体をシャワーを浴びることで目覚まさせる。
いつものように準備をしていると、
ドアが開く音がした。
勝手に誰かが上がり込んできた。
「葉月早く起きろ遅刻するぞ!」
いつものようにやって来た。
「菜月さん…いい加減チャイム位鳴らしてくれ。」
「いいじゃん、私を誰だと思ってやがる。F高校の教師であんたの担任の菜月先生だぞ。」
毎朝欠かさずにやって来る灰原菜月は俺の担任であり年の離れた従姉である。
そして準備とは、自分と菜月の朝食の事だ。
と言っても準備するのは菜月の分だけで葉月は煙草とコーヒーで朝食は取らない。
「あんたいい加減服来たら?目のやり場に困るんだけど…。」
「何で菜月さんが困るんだよ。昔から散々見てるじゃん。」
シャワーを浴びたままの格好で菜月の朝食をだし、自分の煙草に火を点けようとしていた。
「あと煙草は二十からでしょうが、担任の目の前で普通に吸うないい加減指導部連れてくぞ!」
「まぁ固いこと言わないでよ、お姉ちゃん。」
これを使うとなんとか許してくれる。
東京の高校に進学することになり、
親からは菜月の所に下宿しなさいと最初は言われたがなんとか理由をつけて独り暮らしを許してもらった代わりに、菜月が毎朝葉月の様子を見に行く事が条件として出された。
絶対に嫌だといいかけたところに菜月が現れた。
「何が嫌なんだって、絶対に行ってやるんだから朝食ぐらいださなかったら……わかってるな?」
その一言ですべてが決まったのである。
そう言ったこともあり、今現在の自由を勝ち得たのである。だがメリットだけではないのが世の理だと言うことにあとになって気づくのであった。あれが嫌いこれはダメだ全てにおいて何かしらのダメだしが出てきた。



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