《MUMEI》
走れ君へ
女装したままの総
一郎は、講義室を
跳び出し階段をか
け降りる。


「だぁ〜くそっ!」

…なんだって、こ
う女の服は動きに
くいんだ!心の中
で叫びながら…

息苦しさから、マ
スクを外し…曇る
メガネも投げ捨て
る。


足に纏わり付くロ
ングのプリーツスカート
を太股までからげ
上げて…。

化粧落ちした顔と
太股丸出しの姿を
見た、学生がギョッ
とするのも気付か
ないまま…。


ただ、ただ…裏庭
を…いや世良を…
目指していた。



一方、裏庭の世良
は、昨日ガチホモ
先輩や天童に総一
郎を諦めないと大
見得を切ったが、
肝心の総一郎が今
日は大学を休んで
いる事を、先程佐
藤隆から聞かされ
早くも弱気になっ
ていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫