《MUMEI》 敵の罠「あっ、琉雅…どうだった?」 「ああ、校長先生が殺されてた…」 「えっ!?…そんな……… 誰が殺したのかは分からないの?」 「それは…」 《どうする、睦月に高原の事を話すか? いや、余計な事を知って危険な目に遭わしたくない》 「分かんねぇ、俺が見た時にはもう死んでたんだ」 「そっか…」 「…………武道場に行くか」 「うん…そうだね」 「そういえば…今、何時だ? 外が気付かない内に真っ暗だしよ」 「8時ぴったりだよ」 「急ぐか、外で誰かに待ち伏せされてたらヤバいからな」 「あっ!さっき、琉雅が様子を見に行ってた時、武道場の前に人影が見えたよ」 「何!? …まわりを警戒しながら行くぞ」 「分かった」 俺達はまわりを警戒しながら進む事にした そして、武道場の前に着いた 「睦月…お前はここにいろ 俺が中の様子を見て来る」 「ううん、私も行く」 「なっ…! 何があるか分かんねぇし、守れないかもしれないんだそ?」 「琉雅が何を言おうと私は行くよ お荷物になりたくないもん」 「……はぁ〜、昔から頑固だよな… もし、自分の身が危ないと思ったらこれを使って守ってくれ」 俺は睦月に短刀を渡した 「なんで短刀持ってるの? 日本刀しか持ってないんじゃなかったの?」 「とある敵からもらった」 最初に俺に襲い掛かって来た2人組から奪った物だ 「まず、俺が最初に入る お前は後から付いて来い」 「うん」 「よし………行くぞ…!」 琉雅が扉を開け、中に入り、日本刀を構えた 睦月も後から入って来る しかし… 「? なんで、カーテンが?」 琉雅の目の前に真っ黒なカーテンが広がっていた 「琉雅!上!!」 睦月がそう言って上を向いた瞬間、 「遅い!」 上に隠れていた敵が落ちて来て、その手には鋭利なナイフを持っていた もちろん、突然で俺は対応出来なく 「ぐあっ!!」 左から斜め下へ背中を切られた 「琉雅っ!?」 睦月が俺に駆け寄り、敵はカーテンの向こうへ逃げた 「大丈夫!?琉雅!」 「ああ…大丈夫だよ…」 「でも…血が!」 背中を深く切られた為、血が止まらず、シャツを赤く染めてゆく 「なぁに、こんなもん大丈夫だよ」 「本当に…?」 「本人が大丈夫って言ってるだろ? それより、カーテンの向こうに行こう、敵を殺さねぇとな」 「もう、ここを諦めようよ これ以上は危険だし…」 「……その前に敵は俺達を帰してくれなさそうだな…」 「えっ?」 琉雅がさっき、私達が入って来た扉の方に目を向けているので、私も目を向けると、 「そんな!?」 そこには、銃を持った2人の男とナイフを持った2人の女が立っていた 「おい、逃げようとか思うなよ? 俺達に付いて来てもらうぞ」 男の内、1人が私達に命令する 「くっ…睦月すまん……罠だ…!」 前へ |次へ |
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