《MUMEI》 共同戦線。俺と響介が長パーマと睨み合いをしている最中、新斗と美鶴はミクちゃんの救出に成功した。 美鶴が腕のロープをナイフで切り、新斗がミクちゃんと目を合わせて意識確認。 「…どうやら、問題ないみたいだな」 安堵のため息まじりに呟き、美鶴は肩を脱力させ、その場にしゃがみ込んだ。 ホッとしたんだ。 だが、しゃがみ込む直前に、ミクちゃんと体が少しぶつかる。 その瞬間に、上着がはだけ、おっぱいがぷるんっと露出してしまった。 「「………!!!!」」 ミクちゃんと新斗は声も出ない程驚いた。 美鶴が「わっ、ごめんね久美ちゃん!」と謝りながら上着を直す。 新斗とミクちゃんの顔は真っ赤だ。 救出する仮定がすごく気になるのだが………、まァそれは置いておこう。 今は僕も目の前の長パーマに集中しよう。 「オレが……こいつをぶっ殺す!!」 しかし、一体どうしたんだ響介は……。 いつもは楽天的で怒ったり、怒鳴ることなんてないのに……。 ミクちゃんが誘拐されたからって言われたら納得は出来るけど……。 「…オイ。ごちゃごちゃ考えてんな。集中できねえ」 …?あ、そうか。思考を『俺』と共有しているんだった。 長パーマがメスを拾う。 武器なんて卑怯なっ! ……隣には鉄パイプを持った響介がいるが……。 倒れているチャラ金髪を見ていた長パーマが俺達に視線を移す。 「…二対一。少し分が悪いか……なっ!!」 言葉の最後と同時にメスを投げる。 「ふんっ」 すごっ! 響介の奴、鉄パイプでメスを弾いた……けど。 「痛っ」 俺の肩には刺さった。 いっっった! 僕も痛い!! なんで!? 「五感も全て共有してんだよ、アホ」 そうだったんだ……。 「隙あり」 長パーマがこちらへ走る。 「ちっ。メェ____ン!!」 崩れた体勢を整え、面を打ち込んだ。 だが、かわされた。 長パーマは躊躇なく、響介の顔にナイフを突き付ける。 「危ねえっ!!」 ナイフが到達する直前に、俺は長パーマに全身でぶつかった。 そのおかげでナイフの軌道はぶれ、響介には掠りもしない。流石に響介も恐怖を感じたのか、頬を伝う汗が目立った。 ぶつかった拍子で、長パーマは俺と共に倒れた。 「王手だっ!」 響介はこのチャンスを見逃さない。長パーマの首もとに鉄パイプを突き立てた。 「いつつつ……。お? チェックメイトか?」 ほとんど一瞬だったな。 「新斗! 警察に連絡っ!」 響介が新斗に向かって言った。 「わかって……ッ!? 風影、後ろだ!!」 「……なっ……!?」 前へ |次へ |
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