《MUMEI》
嘆きの森
プルルルルル・・・・
プルルルルル・・・・

突然一通の電話が鳴った。
俺は慌てて電話に出た。

「もしもし?」
「・・・・・・・・・。」

しかし、相手は返事をしない。

「も・・・・もしもし・・・??」
「・・・・・・・・・。」
「どちら様ですか???」
「・・・・・・・・・。」
「もう、切りますよ!?」
「・・・・・。
 ♪・・・・龍の眼は神を貫き 天界に闇を齎す
  齎す闇は光を飲み込み 嘆きの森が姿を現す
  舞い落ちた天使の羽は・・・・・・プツッ・・・・・」

突然電話が切れた。
「もしもし!?」
俺は急いであの本を読み出した。
そう。あのお伽話だ。
俺にはどうしても突っかかるフレーズがあった。

“嘆きの森が姿を現す”

「嘆きの森・・・・・。どこかにあった気がする・・・・。」

神流は相変わらず玄関で喋り続けていた。

いつまでも・・・・・。
いつまでも・・・・・。

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