《MUMEI》

ゴチッ!

「ぐっ……」

いきなり額から頸《くび》にかけて鈍い衝撃が走る。

なにがなんだかわからない。

「説明しようとしたのに逃げるな、このバカ!」

額の痛みを堪《こら》えながら彼女に視線をやると、手刀のポーズをとっている。

まさかコイツ、オレにチョップを!?

「なにすんだよ!」

人が謝罪しようとしてたのに……もう謝るのはヤメ! しかも「当然の報いよ」みたいな顔はなんだ!? オマエが謝れ!

「うわ〜、なにその顔。ブサイクだねぇ」

「……っ!」

どうやら感情が顔に出ていたようだが、わざわざケンカ売りに来たのか? コイツ。

オレがとった一連の行動は、オマエの行いで帳消しにさせてもらうからな。

「ん? 何か言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」

「そりゃさっきのオマエだろっ!?」

思わず叫んでいた。

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