《MUMEI》 出会い「ねーねー、佐倉っち」 「んー?」 「佐倉っちは何部に入るの?」 「…剣道部かな」 「剣道部!?あの佐倉っちが!?」 「し、失礼すぎだろ…、俺だって運動部入りたいんだよっ!?」 「はぁ…、佐倉っちさ…」 「ん?」 「いい加減”俺“っていうのやめよ?」 「えっ?何で!?」 「女の子なのに俺はない…」 「いいじゃねーかよぅ、俺の勝手だろ?」 「はいはい、そうですね」 「うーん…」 ここは職員室の前。 さっきからずっとぐるぐるしてる。 「うーん…」 「……なぁ」 「!?」 後ろを振り返ってみる。 …と、一人の男子。 同い年だろうか…? デカイな…。 「中1?あんた」 「中1だけど…、どうかしたの?」 「いや…、剣道部に入部しようかと思って」 「剣道部!?」 「う、うん…?」 「俺、佐倉 透 -サクラ トオル- は剣道部に入部希望届けを出そうか迷っているのだっ!!ところで君の名前は?」 「村田 真也 -ムラタ シンヤ- 」 「村田か、よろしくなー」 「よろしく」 村田 真也…。 この字だと、マヤじゃんか。 こいつ、名前ウケるな。 顔もウケる。 超つり目じゃんか。 狐みてーな顔。 次へ |
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