《MUMEI》

シートベルトをかける。それからやっと、ハンドルを握った。

しばらく音を聴いておく。どうやら今日は調子がいいらしい。

ふぅ、と一息吐く。乗る度に嬉しくなり、にやけてしまうのを直したいと思うこの頃だ。

サイドブレーキを下ろし、クラッチを踏み込む。それとブレーキも踏んでおく。

ギアをローに入れ、ブレーキからアクセルに踏み替える。

ゆっくりと片方を踏み込み、もう片方は離していく。

ギアの噛み合う音がして、薄暗いガレージからソイツは姿を現す。

エンジンが回転数を上げていく。タイヤが前へ前へと転がり出す。

さあ、ドライブだ。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫